横浜DeNAベイスターズの特許出願
--この記事の30秒概要--
・横浜DeNAベイスターズが、配球分析システムなどの特許を出願していることがわかった。
・そのシステムによれば、
・球種が分かれば安打数や四球数が増え、三振数が減るはず。そこで、ベイスターズの成績推移を調査したが・・・?
今シーズンのプロ野球が開幕してしばらく経ちますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
最近の野球はセイバーメトリクスが発達したり、分析システムが開発されたりなど、10-20年前とはまったく異なったスポーツに変化している気がします。
分析システムの代表格といえばPITCHf/xです。このシステムは、アメリカのプロ野球チームのほとんどの(すべての?)本拠地に設置されているようです(どの野球中継を見ても、投球コースや球種が即座に分析され表示されることは、野球好きな人にとってはもはや周知事項でしょう)。自国内で開発された点と、データ大好きな米国人の気質?が合わさって、ここまで普及したのかなと個人的には思っています。
日本ではまだまだ分析システムが普及しきっていませんが、なんと横浜DeNAベイスターズは球団自ら分析システムを開発しているようです。
2014年のITmediaの記事には「現在、選手の情報を一元管理してチーム編成に役立てる『ベースボールオペレーションシステム』の構築が進んでいるのだ。例えば、選手一人ひとりのデータが集約され、選手の映像からフォームのチェックなどもPCやスマホ、タブレットからできるようになるという」と記載されています(引用元:下記リンク先)。
この記事を受け、J-platpat(乱暴に言えば、出願された特許の情報を公開しているサイト)で「出願人:ベイスターズ」と検索してみたところ、「
この特許出願に記載されている図によれば、各カメラから得た映像をコンピュータで分析して、分析結果を手元のスマートフォンやタブレットに表示するシステムとなっているようです(下図参照。引用元:特願2014-180262の図1)。
そしてこの分析システムの特徴として、「
球種が分かればバカスカ打てて、落ちるボールを振らずに見逃せるため、安打数と四球数が増えて三振数は減るはずです。先ほどのITmediaの記事では「構築が進んでいる」と記載があることから、2014年時点ではシステムは未完成だと思われます(ちなみに出願日は2014年9月7日です)。出願から2年半以上がたった今、システムとしてはすでに稼働しているのではないでしょうか。そこで、各年度のベイスターズの安打数などを比較してみました。データ元はプロ野球ヌルデータ置き場様です。なお、転記ミスや計算ミスはご勘弁ください。
xxxx年 - 安打 - 三振 - 四球
2012年 - 1083 - 931 - 380
2013年 - 1271 - 1057 - 400
2014年 - 1224 - 1107 - 400
2015年 - 1186 - 1047 - 361
2016年 - 1205 - 1049 - 373
2017年 - 366 - 324 - 116 ※2017/5/26 1:00時点
17年予想 -1190 - 1053 - 377
効果・・・・・出てない・・・???
考えられる理由としては
・システムの予測精度がまだまだ甘い
・スマートフォンなどに球種が表示されるとしても、そもそもバッターはスマートフォンを見ることができない
・ベンチでコーチや監督がスマートフォンを見るとしても、毎球指示を出すわけにはいかない
・特許は出願したが未完成or開発中止となった
などでしょうか。
まだまだ改善の余地はあるのでしょうが、もし本当に球種予測が効果を発揮するのならば、これからのベイスターズはもっと強くなることでしょう。
以上、横浜DeNAベイスターズの特許出願についての記事でした。
観戦の際は選手のみならず、ベンチの中を凝視して、コーチがスマートフォン・タブレットを持っているかどうか、何か選手に指示を出しているかどうかなどを見るのも面白いかもしれません。今年はハマスタにも行ってみたいと思います。
ベイスターズ関係者の方がいたらこっそりご連絡ください。